ERPの導入ステップ
ERPパッケージの標準的な導入ステップと手順です。
大きく6つに分かれています。
- ERPソフトの導入準備段階
何のために導入するのか。何をやりたいのかを明確にします。
具体的には、
- 自社の現状分析
- 導入目標や適用範囲の確認
- ERPパッケージ製品の選択
- ERPベンダーと契約の締結
- 導入スケジュールの作成
- プロジェクトチームの編成、メンバーの選出
- プロジェクトメンバーの教育
などです。
- 新しい業務プロセスの設計段階
ERPのパッケージを使って新しい業務フローを設計してゆきます。
具体的には、プロジェクトチームが主体となって
- 社内ヒヤリングによる課題の洗い出し
- ERPソフトとの「フィット・ギャップ分析」を行います。
「フィットギャップ分析」とは、ERPソフトを使用した場合に現在のコードややり方などを変更する必要のあるところをリストアップすることです。
「フィットギャップ分析」で現在のやり方を変更することを 「ビジネス・プロセス・チェンジ」や「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」などと呼んでいます。
- 課題解決のための新しい業務プロセスの策定
- ERPソフトで新しい業務プロセスを設計してゆきます。
などです。
- ERPソフトによるプロトタイプの開発段階
新しい業務フローに基づいてERPを開発してゆきます。
具体的には
- 新しい業務フローに基づいてERPソフトを開発してゆきます。
新しい業務プロセスをERPソフトに反映します。
主に、パラメータの設定になります。 - プロトタイプシステムの検証をおこないます。
- アドオン開発の規模や見積もりを行います。
などです。
- 新しい業務フローに基づいてERPソフトを開発してゆきます。
- 本格的な開発段階
本格的に開発をおこないます。
現在のコードや業務の変更(「ビジネス・プロセス・チェンジ」や「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」)が事前にできる場合は前もっておこないます。
具体的には
- ERPソフトの開発、テスト、アドオン開発
- レスポンス、使い勝手も含めてシステム全体の検証
- 個別の機能のシステムテストから、システム全体の統合テストを行います。
主に、ERPベンダーとユーザーチームのキーの人がおこないます。 - テストケースを作って、実際の業務に沿ったユーザーアクセプタンステストをおこないます。
主に、ユーザーチームのメンバーが行います。 - 既存のシステムのデータをERPへ移し変える場合は、マスターデータ、トランザクションデータの、変換のプログラムを作成します。
などです。
- 実際の導入段階
実際に導入するときに必要なことすです。
具体的には
- ビジネスプロセスチェンジ(ビジネスプロセスリエンジニアリング)
- 利用者への教育
- 社内システムの浸透
- 導入時の体制を作る(トラブルシューティング)
- さらなる使い勝手の検証
- マスターデータの作成、入力
- データコンバージョン(データ変換)
- 新しいシステムへの移行時の在庫などの積み増し。
- 追加で必要なデータや帳票などの作成(データウェアハウスなどの使用)
などです。
- 導入後のフォローアップ
ERPの導入後のフォローアップです。
具体的には
- トラブルに対するフォローアップ体制を作る。
- システムの改善についての体制、仕組みを作る。
- ERPの導入目的が達成したか検証する。
・納期達成率
・在庫レベル
・在庫回転率
・生産リードタイム
・売上、利益
などです。
ERPシステムの一番重要なのは、導入後です。
導入時は、ERPのベンダーがいますが、導入後は、ユーザーだけになります。
システムの不具合も半年から1年続くこともあります。
長い目で改善してゆきましょう。
そして、ERPシステムを導入することにより、必ず経営指標が改善されたことを確認してください。
これが、ERP導入の最終目的ですから。
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